第3回 美容におすすめのツボ


     https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1204.html


美容におすすめのツボ

昨今、女優さんやモデルさんが顔に鍼を指している画像をSNSでよく見かけますよね。あれは美容鍼灸といって、顔のツボを刺激による美容効果を目的とした鍼灸治療のひとつです。

美容とは、広義では「顔、身体、肌、髪などを美しく整えること」とされ、狭義では「美しい顔かたち、顔貌に整える」こととされています。東洋医学では、“健美”といって、身心の健康が美の基本と考えています。ここでは、顔面部の血行を改善し、美容効果を高める“ツボ押しセルフケア”を紹介します。

➡下記に紹介しているツボの部位などは、下記サイトをご覧ください。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1204.html


血行不良による顔面部への影響

顔面部の血行不良による影響は、まず顔色に表れます。赤みが減少し、顔色が悪くなります。眼周辺の血行不良が起こると、目の下の皮膚は薄いので毛細血管の青みにより眼下にクマとなって現れます。

血行不良が続くと肌のつやや透明感が減少しくすむようになります。また、メラニン量の増加や沈着が起こり易く、しみも残り易くなります。さらに、皮膚のバリア機能が低下し、肌あれ(乾燥肌)が起こり易くなりますし、血管から滲み出た水分の回収がスムーズに行われなくなり、細胞間に水分がたまり、浮腫むようになります。

このように、顔面部の血行不良は美容に様々な悪影響を及ぼします。逆に、血流を良好に保っておくことにより、このようなことは起こり難くなります。

攅竹(さんちく)

まゆげの内側の凹んでいるところ。

眉頭の内側の骨のくぼみにあるツボです。押してみて、痛いけど気持ち良いところがツボとります。中指または、親指の先の腹側で押していきます。眼輪筋部にあるツボのため、眼部周囲の血流を改善して目をぱっちりさせる効果が期待できます。呼吸を使って押していくと効果が高まります。その理由は、呼吸の中枢と情動の中枢が隣り合わせにあることから、ストレスをより解消しやすいからです。

巨髎こりょう

まっすぐ前を見て瞳の中央からおろした線と、小鼻の下の線とが交わるところ

ツボを下から筋肉を引き上げるように押していくと、効果が高まります。その際ほうれい線をやや開くようにして押していくのがポイントです。中指か親指の先の腹の部分で押していきます。これも息を吸って、息を吐きながら押していくと良いです。このツボは、頬のたるみを改善させ、リフトアップにも効果的です。

顴髎(けんりょう)

目尻から下に下ろした線と頬骨が交わるところ

ここも巨髎と同様、息を吸って、口から息を吐きながらツボを下から筋肉を引き上げるように親指の先の腹の部分で押していきます。 このツボ、頬のたるみを改善させ、リフトアップにも効果的です。

ツボ押しによる効果

攅竹、巨髎、顴髎を含む顔のツボを刺激(※)し、顔の血流の変化をみた研究があります。この研究では、(1)顔面部へ刺激する群、(2)顔面部+上下肢へ刺激する群、(3)何も刺激しない群の3つに分けてそれぞれを比較しました。

その結果、顔面部を刺激した群で顔の血流の増加がみられました。

この攅竹というツボは、「三叉神経」という顔の感覚に関わる神経のちょうど出口にあたる部位にあります。この三叉神経への刺激は自律神経(特に副交感神経)を働かせ血流が増加すると考えられます。つまり、攅竹は三叉神経を効率よく刺激できる部位といえます。さらに、攅竹の刺激は片頭痛への効果も期待できますので、片頭痛にお困りの方は是非お試しください。

顔のツボを刺激した後になんとなく顔が”ほわ~”っと暖かくなります。また、美容鍼灸を受けるとフェイスラインがすっきりしたり、目の疲れがとれたりします。これらのメカニズムとして顔の血流上昇が関与しているかもしれません。最新の機器を使ってツボ刺激の効果を測定することにより、美容への効果も分かってきているのです。

※ 刺激は鍼による。