ラジオ深夜便③肩こり・頭痛       ー痛みの緩和ツボ押しセルフケアー

「ツボ押しで痛みを緩和する」

●厚労省が行っている国民健康調査で、最も多い自覚症状は、男女ともに「肩こり」「腰痛」が一位と二位となっています。多くの方が悩んでいる、肩こり、腰痛ですが、我々が行った全国調査でも、鍼灸治療を受けた方の、6割が、肩こり、腰痛の改善を目的として、はり灸治療を受けています。

●肩こりや腰痛などにツボ押しが効く理由ですが、ツボを刺激することより、筋肉の緊張が緩み、血流が良くなることが、痛みの改善につながると考えられます。さらに、ツボ刺激は、体内に存在する内因性モルヒネ様物質といわれる痛みを鎮める作用をもつ物質を増加

させて、痛みを感じ難くします。

●また、ツボへの刺激が脳に伝わると、痛み信号が脊髄から脳へと伝わる経路がブロックさ

れ、痛みを感じ難くさせているのではないかとも考えられています。


「痛み別 ツボ押しセルフケア」

1)「肩こり」に効くツボ

 ▼肩にあるツボで、「肩井(けんせい)」というツボをご紹介します。

●見つけ方ですが、首のつけ根と肩先を結ぶ線の中央にあります。手の中指を反対側の肩の中央に置いてみて下さい。やや強めに押すと、凝っている方は、痛いけど気持ちの良い、凝りがみつかると思います。

●押し方ですが、場所が決まったら、中指の腹でゆっくり押していきます。気持ちのよいところで、3秒ほど保ちます。それからゆっくりと、戻します。呼吸を使うとより、効果が高まります。まず、ゆっくり、お腹の下まで、息を吸い込んで下さい。次に、「肩井」を押しながら、フーッと口から息をゆっくり、吐いていきます。その時に凝りが呼吸とともに出ていくとイメージすると、より、効果が高まります。

●人差指・中指・薬指の3本の指の腹で、ツボの周囲を揉むようにしてもよいです。

2)緊張型頭痛:凝りからくる頭痛

●首や肩の凝りからくる頭痛を、緊張型頭痛と言いますが、明確な病気がな

い頭痛の中では、最も多くみられる頭痛です。頭痛にはさまざまな原因がありますが、大別すると、明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる一次性頭痛と、病気が原因であらわれる二次性頭痛の、2つに分けられます。ツボ刺激が適応となるのは、一次性頭痛です。

●首や肩の凝りからくる、緊張型頭痛は、一次性頭痛で、首肩がこり、後頭部、ときには前頭部にかけて、頭全体が締めつけられるような痛みがあります。精神的なストレスや、長時間、同じ姿勢がつづくといった身体的ストレスが原因で首や頭の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起こると考えられています。また、目の使い過ぎによる疲労が筋肉のコリを引き起こし、眼の奥の痛みや頭痛を誘発することもあります。

●緊張型頭痛には、筋肉の緊張をゆるめる目的でツボを選びます。

緊張型頭痛に効果が期待できるツボ

天柱(てんちゅう):首の後ろにあるツボです。

●見つけ方ですが、首のうしろの髪の生え際で、頭の中央の凹みの両側に、2本の太い筋肉がありますが、その筋肉の外側のくぼみにとります。

「風池」(ふうち)

Ø ツボの場所は、「天柱(てんちゅう)」のツボから親指1本分外側のところにあります。

Ø 押し方ですが、「天柱」も「風池」も、ツボは左右、2つずつあります。両手の親指で、両側から押して下さい。押しにくい場合は、片手の親指で1つずつ押して下さい。

・首や肩のこり、頭痛などの緩和の他に、眼の疲れ、ストレスや不安、緊張を緩める効果もあります。

③攅竹(さんちく)

●ツボの部位は、眉毛の内側の生え際で、眉毛の内端の少し、下にある窪みです。 眉毛の生え方は、人によって若干違いますので、目頭の内端の真上を探って、わずかな窪みを探してみて下さい。

●押し方は、両手の親指の腹の先を眉頭の下のくぼみにあて、やや下から上へ押します。

Ø 目の使い過ぎによるコリからくる頭痛の他、スマホの見過ぎ、長時間のパソコン作業などによる目の疲れ、ストレスやゆううつな気分などにも効果が期待できます。


NHK東洋医学ホントのチカラより引用


NHK東洋医学ホントのチカラより引用